テンジン・ケンツェのブログ

南インドのチベット寺院での日々。

ネパール旅行1

1月24日
実はブッダガヤー滞在中に、私と同じように学生ビザでダラムサラに滞在しているSさんから「FRO(外国人登録)の許可がないと出国できないのではないか」という話を聞き、心配していたのだが特になにもなくすんなり出国審査を通過し一安心。お昼過ぎの便でカトマンドゥに飛び、いつもお願いしているタクシーの運転手さんに迎えに来てもらい、前日にネパール入りしていた後輩とも合流。
思ったよりホテル到着が早かったのでホテルから近いスワヤンブナート仏塔とビジェーシュヴァリー寺院へ参拝に行く。ネパールは実に7年ぶり、震災以後はじめての訪問だが思った以上に復興は進んでおらず、多くの寺院が未だ傷ついたままの姿だった。ビジェーシュヴァリー寺院もトタンや木材で仮修復された状態で、正門は閉ざされ脇から入るようになっていた。この寺院はヴァジュラヨーギニー女神を祀る寺院で、御本尊は左足を大きく上げ空を飛ぶ姿をしていることから特別にアーカーシャヨーギニーと呼ばれる。カトマンドゥ盆地は文殊菩薩が切り開いた土地とされているが、ヴァジュラヨーギニーは文殊菩薩が来る前からこの地に住んでいたといわれ、仏教徒からもヒンドゥー教徒からも尊崇されている。
その後、同じ丘にあるスワヤンブナート仏塔へ参拝。ここも地震の爪痕がまだはっきりと残っている。大塔脇の二基の塔は崩れたままであり、少し奥にあるシャーンティプル堂もこころなしか傾いていた。昔からモンキーテンプルというくらいサルが居たところなのだが、以前にも増してサルが増えたように思う。サルに注意しつつ大塔を右繞し、脇のハーリーティー鬼子母神)堂に参拝。いつも参拝者で混雑しているのだがこの日は人が少なく、御本尊を間近でみることができた。シャーンティプル堂は残念ながら開いていなかった。(開いていたとしても奥の開かずの間への扉があるだけで、入ることの出来る前室には何もないのだが…)このお堂の本尊はチャクラサンヴァラだといわれているので、お堂の前で(後輩をほったらかして)成就法を行う。
日が傾いてきたころホテルへ戻り、この日は旅行者の集まるタメル地区のFire&Iceという有名なイタリア料理屋さんで食事。日本でもなかなかないくらい美味しいお店。久しぶりにピザとパスタをいただき、大変満足してこの日は終了。

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ビジェーシュヴァリー寺院。二重屋根の下に御本尊が安置されている。

1月25日
朝9時過ぎにホテルを出発しまずはボーダナート仏塔へ。ここはしばらく前にニュースにもなっていたとおり上部の金属部分は綺麗に修復されていた。しかし、この日は表面に塗料を塗る工事をしてたため塔の中ほどから上へは登れず。大塔とアジマ女神(ハーリーティー)のお堂に参拝後は周囲の店で買物。本屋でペチャ(チベット式のお経)と本をいくつか、衣屋さんでガクパ(在家密教行者)の使うセン(ショール)を購入。その後、周囲の寺院を少し見て回り、高名なチュー行者ワンドゥ師のお寺も覗いてみたが一般参拝はできない様だった。昼食にバフモモ(水牛肉の蒸し餃子)をいただき、サンクーの町へ向かう。
サンクーの目的地はヴァジュラヨーギニー寺院。この寺院も前日のビジェーシュヴァリー寺院と同じくヴァジュラヨーギニーを祀る寺院だが、ここの御本尊は剣(カドガ)を携えた姿をしているためカドガヨーギニーと呼ばれる。山道を登っていき寺院に辿り着くと、なんと本堂がない。解体修理中らしく完全に工事現場になっており、基壇にベニヤ板の仮堂が作られていた。最初、仮堂は扉が閉まっていたのだが、後から団体参拝の方々がやってきたため開扉され、便乗して御本尊に拝謁することができた。この本堂の隣にはウグラターラー女神のお堂があり、そちらはつっかえ棒がされているものの以前のままだった。境内の岩に掘られた瞑想窟や、お祭りのとき神輿で街に出る御本尊の御前立にもお参りし、山を下る。その後、サンクーの町のスワスターニーマーター寺院とマーダヴァナーラーヤナ寺院を見学し、ホテルに戻った。

尚、この日の他の写真はFBのアルバムにに投稿してあります。

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ドガヨーギニー寺院。手前の赤い仮堂が本堂。奥の建物がウグラターラー堂。