テンジン・ケンツェのブログ

南インドのチベット寺院での日々。

不非時食のこと

本来、出家僧は戒律により午後から明朝の夜明けまでは食事をしないことになっています。これを不非時食といい、東南アジアのお坊さんは厳密に守っている方が多いですが、大乗仏教圏ではそれほど重要視されておらず、チベットのお坊さんでも守っている人はそれほど多くないと聞いています。

私は3月6日に沙弥戒を授かりましたが、そのときに知人から「慣例では授戒から一週間不非時食にするのがよい」と聞いていたため、その日から不非時食を始めました。日本で四度加行に入っていたときも不非時食だったので、それほど苦痛でないことは体験済みでしたし、実際に今回も大丈夫だったので一週間で終えずに続けています。心配だったのは栄養とカロリーの不足、特にタンパク質が不足することが予想されました。ダラムサラ滞在中はレストランもたくさんあり、また私はベジタリアンではないのでモモ(蒸し餃子)や肉入りのトゥクパ(スープヌードル)などを食べてタンパク質を補給できていたのですが、問題はギュメ寺に帰ってからの食事でした。

ギュメ寺では肉食は禁じられてはいませんが、お寺で作る食事は菜食です。朝は甘いパンとバター茶、昼は野菜のおかず一品に甘くないパン、夕方はダル(豆)カレーにご飯が定番です。この夕食の貴重なタンパク源を抜くということにいささかの心配があったのですが、一ヶ月経った今でも特に問題なく過ごせているどころか、寝起きなどはむしろ調子がいいくらいです。なので、このまま様子を見ながら続けて行こうと思っているのですが、ずっと続けるにあたっては少し緩めて下記のようにしようかと思っています。

 ・昼食は12時を超えても気にしない。
 寮の昼食が大体12時からなので。でも遅くとも13時くらいまでには終えたい。

 ・午後は少量のお茶菓子程度ならOK、牛乳もOK
 戒和尚であるダライ・ラマ法王がそうなさっているようなので。

 ・日程や労働上、難しいときは夕食OK
 移動や仕事で昼食がとれないとき、肉体労働等で著しくカロリーを消費したとき。

 ・会食のときは夕食OK(検討中)
 断れない会食、たまの父母や祖父母との食事など。もちろんお酒は飲みません。

 

「甘い!」と思われるかもしれませんが、いまのところこんな感じで続けていけたらと考えています。ご意見等ありましたら是非お聞かせください。